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平成30年(行ケ)第10041号
汚染材の焼成方法事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 「刊行物に記載された発明」は,刊行物の記載から抽出し得る具体的な技術的思想でなければならないが,ひとまとまりの具体的な技術的思想が記載されていない引用文献に基づいた審決の進歩性欠如の判断は誤りである,とされた。

 事件番号等:平成30年(行ケ)第10041号(知財高裁 H30.12.06)
 事件の種類(判決):拒絶審決取消請求(審決取消)
 原告/被告:Next Innovation合同会社/特許庁長官
 キーワード:進歩性,引用文献に記載された発明,ひとまとまりの具体的な技術的思想
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 本願発明と対比すべき特許法29条1項各号所定の発明は,通常,本願発明と技術分野が関連し,当該技術分野における当業者が検討対象とする範囲内のものから選択されるところ,同条1項3号の「刊行物に記載された発明」は,当業者が,出願時の技術水準に基づいて本願発明を容易に発明をすることができたかどうかを判断する基礎となるべきものであるから,当該刊行物の記載から抽出し得る具体的な技術的思想でなければならない。
 本件についてみると,引用文献には,単に放射性物質が検出された下水汚泥焼却灰等の処分に向けた方針,及び当該方針に関する有識者の意見が断片的に記載されているにすぎず,下水汚泥焼却灰等の安全な処分方法というひとまとまりの具体的な技術的思想が記載されているとはいえない。引用文献に引用発明が記載されていることを前提として,本願発明1は引用発明に基づいて容易に想到することができたとした審決の判断には誤りがある。

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