知的財産情報

ホーム > 知的財産情報 > 判例紹介 > スプレー缶用吸収体事件

判例情報


平成30年(行ケ)第10012号
スプレー缶用吸収体事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 本件発明1の「灰分量が1重量%を超える程度」の市販のLBKPは普通に存在しているから,当該構成を選択すべき技術的知見がなくても,当業者は当該構成を容易に想到できた,とされた。

 事件番号等:平成30年(行ケ)第10012号(知財高裁 H31.1.31)
 事件の種類(判決):無効審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:エヌ・ケイ・ケイ株式会社/日本瓦斯株式会社
 キーワード:進歩性,技術的知見
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 甲1には,実施例1において,市販のLBKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)を用いてセルロース繊維の吸収体を得たことが記載されているが(【0041】),そのLBKPの灰分含有量についての記載はない。
 しかしながら,甲37(「非木材繊維利用の現状と将来」(紙パ技協誌第51巻第6号,1997年6月))の「表18 主要非木材および木材の化学組成」に,「広葉樹材」の原料は灰分含有量が「0.1%〜2.0%」であることが記載されていること(80頁・表18)に照らすと,灰分量が「1重量%を超える程度」の市販のLBKPが普通に存在するものと認めるのが相当である。相違点1に係る本件発明1の構成に至るためには,スプレー缶用吸収体の保液性能が,吸収体中に含まれる灰分含有量に左右されるという技術的知見を見出すことは必ずしも必要ではない。

© 2017 SAKURA PATENT OFFICE. All Rights Reserved. 特許業務法人 サクラ国際特許事務所
〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目18-14 ヨシザワビル6階
Tel. 03-5577-3066(代)/Fax. 03-5577-3067
国内および外国特許・意匠・商標の出願代理、鑑定、相談、訴訟|特許業務法人 サクラ国際特許事務所