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平成29年(行ケ)第10122号
ネマチック液晶組成物事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 広いネマチック相(液晶相)を得るとの観点を考慮する場合,ネマチック層の温度範囲の広いCC-3-V1をネマチック層の温度範囲の狭いCC−3-Vに置き換えその配合量を決定することまで当業者が容易に相当できたとは言えない,とされた。

 事件番号等:平成29年(行ケ)第10122号(知財高裁 H30.11.22)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(審決取消)
 原告/被告:JNC株式会社/DIC株式会社
 キーワード:進歩性,置換,液晶相の温度範囲
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 モノアルケニルビシクロヘキサン化合物のネマチック相の温度範囲が狭いことから,ネマチック相に与える影響も考慮した場合には,当業者は,①CC-3-V,CC-3-V1,CC-5-Vなどのモノアルケニルビシクロヘキサン化合物より,CC-1VV1などのビスアルケニルビシクロヘキサン化合物が好ましく,②モノアルケニルビシクロヘキサン化合物の中では,CC-3-Vよりも,CC-3-V1,CC-5-Vが好ましい,と認識するというべきである。また,ネマチック相に与える影響を考慮すると,モノアルケニルビシクロヘキサン化合物の中では,CC-3-Vよりも,CC-3-V1,CC-5-Vが好ましいと理解すると考えられることに鑑みると,甲1において,式Iの化合物の濃度が「24重量%以上」と特定されているとしても,例M1~例M8において,広い温度範囲のネマチック相を得る目的で配合されているCC-3-V1などを,専らCC-3-Vに置き換えるとともに,CC-3-Vの配合量を35重量%以上とすることまで,容易に想到できたということはできない。広いネマチック相(液晶相)を得るとの観点も考慮した場合において,CC-3-V,CC-5-V及びCC-3-V1が常に交換可能な配合成分であると認めることはできない。

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