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平成29年(行ケ)第10212号
黒ショウガ成分含有組成物事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 各引用文献の記載からは黒ショウガが,食品用途での利用に制限を受けるほどの量でポリフェノール類を含んでいるとは認められず,各引用文献には本件発明を想到する動機付けがない,とされた。

 事件番号等:平成29年(行ケ)第10212号(知財高裁 H30.10.11)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:株式会社エヌ・エル・エー/株式会社東洋新薬
 キーワード:進歩性,動機付け,ポリフェノールの量
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 本件優先日当時,黒ショウガにポリフェノールが含まれること(甲2)や,ポリフェノールそれ自体は特異な苦みや渋みを有する物質であること(甲32)は公知であり,また,植物体の根茎が根茎特有の渋みや苦みを有すること(甲33)も公知であって,ウコンと同様に, 植物体の根茎の一つである黒ショウガも根茎特有の渋みや苦みを有することは当業者が認識していたと認められる。しかしながら他方で,黒ショウガが,食品用途での利用に制限を受けるほどの量でポリフェノール類を含んでいるとは認められず,そうだとすれば,本件優先日当時,当業者が,黒ショウガに関し,ポリフェノール類特有の(ポリフェノール類に由来する)特異な苦みや渋みを有するものとまで認識していたとは認められない。また,黒ショウガに含まれるポリフェノールについて安定性に係る技術課題が存在したとも認められない。
 甲3発明の「茶ホポリフェノール粒子」に代えて,甲2に記載された「黒ショウガ粉末を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤・・・」や,甲1 に記載された「冷え性改善用の黒ショウガの根茎加工物・・・」を適用する動機付けがあるとはいえず,本件訂正発明1の構成を,技術的事項並びに本件優先日の技術常識に基づき,当業者が容易に想到し得たということはできない。

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