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平成28年(行ケ)第10130号
白色反射材事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 本件特許におけるSiOの被膜は,甲1発明の酸化チタン粉末表面のシロキサンの被膜とは異なり,また,他の周知例のいずれにも記載も示唆もないから,これらに基づいては,直ちに,当業者が容易に想到することができない,とされた。

 事件番号等:平成28年(行ケ)第10130号(知財高裁 H30.03.29)
 事件の種類(判決):取消決定取消請求(決定一部取消)
 原告/被告:株式会社朝日ラバー/特許庁長官
 キーワード:進歩性,シロキサン,シリカ,被覆
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 甲1文献には,酸化チタン粉末の表面処理のいずれの方法によっても,甲1発明の酸化チタン粉末の表面にシロキサンの被膜が形成されたことが記載されていることが認められるものの,甲1文献の上記記載は,甲1発明の酸化チタン粉末の表面に「Si-O-Si結合」を含有する被膜が形成されていることを示すにとどまるものであって,「SiO(シリカ)」の被膜が形成されていることを推認させるものではない(シロキサンは,Si-O-Si結合を含むものの総称であって,SiO(シリカ)とは化学物質として区別されるものである。)。さらに,甲1文献には,テトラアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物について反応すべきものが全て反応したことについては,記載も示唆もされていないのであるから,この点においても,甲1発明の酸化チタン粉末の表面に「SiO(シリカ)」が生成されていると認めることはできない。
 したがって,甲1発明において,酸化チタン粉末の表面に,「SiO(シリカ)」が生成されているとは認めることができず,甲1発明の酸化チタン粉末が「SiO(シリカ)」で表面処理されているということはできない。
 そして,上記の酸化チタン粉末の表面処理に関する相違点に係る本件訂正発明1の構成は,甲1文献,その他の周知例のいずれにも記載されていないし,示唆もされていないから,これらに基づいては,直ちに,当業者が容易に想到することができたということはできない。

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