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平成27年(ワ)第12965号
液体を微粒子に噴射する方法事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 本件発明の「微粒子」の意義が,明細書に記載された発明の重要な目的や従来技術の記載に基づいて判断され,「微粒子」は粒子径10μm以下のものに特定されるとされた。

 事件番号等:平成27年(ワ)第12965号(大阪地裁 H30.01.11)
 事件の種類(判決):損害賠償請求(請求棄却)
 原告/被告:藤崎電機株式会社/大川原化工機株式会社
 キーワード:「微粒子」の意義,構成要件充足性,発明の重要な目的
 関連条文:特許法70条

○大阪地裁の判断

 本件では,後記イ号製品等が,本件発明の構成要件のうち,少なくとも下線部分を充足するか否かにつき争いがある。

【本件発明1】
A:液体を薄膜流とし,この薄膜流を気体流で空気中に噴射して,液体を微粒子に噴射する方法において・・・
F:液体を微粒子に噴射する方法。

 本件明細書の記載からすると,本件発明は,単に,ある程度粒径の小さな粒子が噴射されれば足りるというのではなく,液体を「極めて小さい微粒子」に噴射できることが重要な目的のひとつとして挙げられている(【0008】)ように,噴射される「微粒子」の大きさが極めて重要な意味を有するものであることから,本件発明において生成されるべき「微粒子」の粒径の範囲は特定されているものと解するのが相当である。
 そして,前記各記載においては,10μm以下の微粒子の噴射を「成功」,20ないし30μmの微粒子の噴射を「欠点」と位置づけており,また,本件発明は,もともと,従来技術によった場合の粒子径10μm以下の微粒子に噴射できるノズルにおける欠点を解決することを目的としたものであるとしていることも踏まえると,本件発明において噴射されるべき「微粒子」は,粒子径10μm以下のものとして設定されており,本件発明の「液体を微粒子に噴射する」とは,高速流動空気によって押しつけられた液体の薄膜流が平滑面ないし傾斜面から離れるときに10μm以下の液滴の微粒子になることをいうと解するのが相当である。

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