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平成29年(行ケ)第10029号
扁平型非水電解質二次電池事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 訂正によって付加された構成は,本件発明本来の課題が達成されていることを前提に,副次的な効果を付与するものにとどまるから, 新たな技術的事項を導入するものにはあたらない,とされた。

 事件番号等:平成29年(行ケ)第10092号(知財高裁 H30.02.22)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:株式会社ルートジェイド/マクセルホールディングス株式会社
 キーワード:訂正,新規事項の追加,電極の多層配置,2辺が対向する
 関連条文:特許法134条の2第1項ただし書1号

○知財高裁の判断

 当業者であれば,本件明細書の記載から,本件発明の課題の解決のためには,電池ケース内に電極を多層配置することが技術的な中核部分をなすことを理解することができるといえる。そして,訂正事項1-2及び1-3は,訂正前の発明に,正極構成材,負極構成材の「直線状の2辺が対向する部分を有する」という構成を付加するものであるが,この構成は,本件発明本来の課題が達成されていることを前提に,電極を多層積層したことに伴い正負極それぞれを電気的に接続する通電部を構成しやすくするというある意味副次的な効果を付与するのにとどまるものと理解される。また,本件明細書には,実施例として,正極構成材及び負極構成材の形状が正方形であるものが記載されているが,その形状を正方形に限定していると解することの根拠となる記載はないから,その記載は,「直線状の2辺が対向する」形状のうち,正方形以外の形状も含み得るものである。
 そうすると,訂正事項1-2及び1-3は,本件明細書の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものには当たらないというべきである。

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