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平成29年(行ケ)第10007号
2-ベンゾイルシクロヘキサン-1,3-ジオン事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 引用発明の従来技術に係る化合物とベンゼン環の3位の置換基が共通する引用例2の比較薬剤Cの4位の置換基を,引用発明に組み合わせる動機付けはない,とされた。

 事件番号等:平成29年(行ケ)第10007号(知財高裁 H30.01.22)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:バイエルクロップサイエンス株式会社/吉ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
 キーワード:進歩性,動機付け,置換基の位置
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 相違点1は,本件訂正発明1は,Rが,-S(O)nであるのに対し,引用発明1においては,対応する基が,ハロゲンの1種であるクロロ(塩素)である点である。
 引用例1では,シクロヘキサンジオン化合物のベンゼン環の3位に直鎖状の基が結合している化合物(従来技術である比較薬剤AないしD)に対して,同位置に置換フェニル基を導入することにより優れた除草効果を奏することを見いだしている。そして,引用例1においては,上記ベンゼン環の4位(本件訂正発明のRに相当)に結合する基は塩素に固定されていることから,ベンゼン環の4位にアルキルスルホニル基(-S(O)n)である化合物が開示された引用例2を参酌しても,引用発明1の上記4位の塩素基をアルキルスルホニル基に変更する動機付けはない。
 引用例2における比較薬剤C及びAは,ベンゼン環の3位の置換基が引用発明1よりも除草活性の劣る,引用発明1の従来技術の置換基と同じであり,引用発明2との関係においても,引用発明2よりも除草活性の劣るものとして開示されているのであるから,引用発明1の同4位の塩素基をアルキルスルホニル基(-S(O)n)に置換することによって優れた除草効果が期待される等の動機を見いだすことはできない。

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