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平成28年(行ケ)第10267号
光学的および電磁気学的効果補助層の制御手法事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 特許請求の範囲に記載された「平面構造が,母材中に間隔を保って複数積層された構造」は,明細書の「規則的に」との説明を参照しても,ある平面上の量子ドットの直上に,異なる平面上の量子ドットが配置された構成であると解することはできないから,相違点1は引用発明1に開示されている,とされた。

 事件番号等:平成28年(行ケ)第10267号(知財高裁 H29.12.13)
 事件の種類(判決):拒絶審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:X/特許庁長官
 キーワード:明細書の記載,規則的,量子ドット
 関連条文:特許法29条1項3号

○知財高裁の判断

 本願明細書の【0010】の「スパッタリングなどの真空成膜技術を用い,島状あるいは微粒子状の平面構造を作り,それを積層することで,垂直方向には規則的で,・・・」との記載にいう「規則的」の意味について,上記図6のように,ある平面上の量子ドットの直上に,異なる平面上の量子ドットが配置されている構成をいうものと解する場合には,本願の特許請求の範囲ではこのような特定がなされていない上,本願明細書にいうスパッタリングなどの真空成膜技術は,引用発明1にいう液滴エピタキシー法では量子ドットを形成するガリウムの液滴の場所を平面上制御することができないのと同様に,微粒子の場所を平面上制御することができないものと認められるから,上記構成を実現することは,そもそも困難である。「規則的」の意味については,微粒子等がランダムに配列された平面構造が垂直方向には規則的に複数が積層されていく構成をいうにとどまると解するのが自然であり,このように解する場合には,本願の特許請求の範囲の記載と整合する上,当該構成は引用発明1も有する構成であるから,相違点1は引用発明1に開示されているといえる。

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