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平成29年(行ケ)第10083号
旨み成分と栄養成分を保持した無洗米事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 特許請求の範囲に記載された製造方法は,そこに記載された米や無洗米の構造又は特性以外の,構造又は特性を有することをうかがわせるものではないから,明確性要件違反には当たらない,とされた。

 事件番号等:平成29年(行ケ)第10083号(知財高裁 H29.12.21)
 事件の種類(判決):無効審決取消請求(審決取消)
 原告/被告:東洋ライス株式会社/幸南食糧株式会社
 キーワード:プロダクト・バイ・プロセス,明確性要件
 関連条文:特許法36条6項2号

○知財高裁の判断

 特許請求の範囲に物の製造方法が記載されている場合であっても,当該製造方法が
当該物のどのような構造又は特性を表しているのかが,特許請求の範囲,明細書,図面の記載や技術常識から一義的に明らかな場合には,第三者の利益が不当に害されることはないから,明確性要件違反には当たらない。
 本件明細書には,本件発明に係る無洗米の前段階である⒜⒝の米を製造するために摩擦式精米機により搗精し,かかる米から⒞の本件発明に係る無洗米を製造するために無洗米機を用いるということのほかに,摩擦式精米機により搗精される米が⒜⒝以外の構造又は特性を有することや,かかる米を無洗米機により無洗米としたものが,⒞以外の構造又は特性を有することをうかがわせる記載は存在しない。以上のような特許請求の範囲及び本件明細書の記載によれば,請求項1の「摩擦式精米機により搗精され」という記載,「無洗米機(21)にて」という記載は,⒜ないし⒞のほかに本件発明に係る無洗米の構造又は特性を表すものではないと解するのが相当である。
 そうすると,請求項1に「摩擦式精米機により搗精され」及び「無洗米機(21)にて」という製造方法が記載されているとしても,本件発明に係る無洗米のどのような構造又は特性を表しているのかは,特許請求の範囲及び本件明細書の記載から一義的に明らかである。

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