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平成27年(行ケ)第10170号
水中切断用アブレシブ切断装置事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 明細書等に上位概念に基づく形態の記載があれば,実際に記載された実施形態以外の形態にする訂正は新規事項の追加にならないとされた。

 事件番号等:平成27年(行ケ)第10170号(知財高裁 H28.04.26)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:フロー インターナショナル コーポレイション/株式会社スギノマシン
 キーワード:訂正要件,新規事項の追加,上位概念
 関連条文:平成23年改正前特許法126条3項,4項

○知財高裁の判断

 一般に,発明の詳細な説明には,請求項に係る発明の全ての実施形態を記載することが求められているわけではないから,当該発明に関し,明細書の発明の詳細な説明において,請求項記載の発明に対応する上位概念に基づく形態に係る記載があれば,これには,具体的な実施形態として,発明の詳細な説明に実際に記載された実施形態以外のものが含まれることがあり得ることは当業者において当然に理解できることである。本件特許明細書等に記載された液位調整手段は,上記の構成に限られるものではなく,上記ア(ク)dのとおり,給排気装置である可逆ポンプが加圧動作を継続して液位調整タンク内の液面が予め設定した最低水位より押し下げられたときに,上記加圧動作が継続中であっても,気密室内の加圧気体を過剰圧力分だけ液位調整タンクの外部に逃がす構成のものであれば足りることを理解できるものと認められる。
 したがって,請求項1に上記と同じ事項を追加する訂正事項aに係る訂正は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であると認められる。

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