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平成25年(ワ)第19912号
加圧加振試験機事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 本件発明1,2について審査請求期間内に出願審査請求がされていれば特許権の設定登録を受けることができた高度の蓋然性があったから,本件各出願について審査請求を行わなかった被告の債務不履行と損害の発生との間の因果関係が認められる,とされた。

 事件番号等:平成25年(ワ)第19912号(東京地裁 H28.02.19)
 事件の種類(判決):損害賠償請求(損害賠償請求認容(中間判決))
 原告/被告:第一電気株式会社/株式会社三井造船昭島研究所
 キーワード:進歩性,出願審査請求
 関連条文:特許法29条2項,48条の3第1項

○東京地裁の判断

 ①原告と被告は,平成14年11月26日,「被告は,本件各発明の特許出願の手続,登録までの諸手続及び登録された場合の権利の維持保全に関する手続を行う。」旨の約定(2条1項本文)を含む本件契約を締結したこと,②被告は,本件各出願後審査請求期間内に,本件各出願に係る出願審査請求の手続を行わなかったこと,③その結果,原告は,本件各発明について特許を受ける権利を失ったことが認められる。被告は,原告に対し,上記の債務不履行による損害賠償責任を負うというほかはない。
 (被告は,Aⅱ弁理士に対し,本件各発明の出願に関する手続を委任していた。Aⅱ弁理士は,被告の原告に対する同債務に関しては,被告の履行補助者に当たるというべきである。そうすると,Aⅱ弁理士の故意・過失は,原告との関係では,信義則上,被告の帰責事由と同視される。)
 (本件発明1-1の進歩性)
 乙4の2文献の複シリンダ構成の油圧アクチュエータを乙4の1発明に適用しても,乙4の1発明において油圧式複シリンダ構成アクチュエータを取り付けたものとなるにすぎず,乙4の1発明における定加圧部による加圧力及びこれと平衡する圧力を上記油圧式複シリンダ構成アクチュエータの液室に導入することを想到することが容易であったとはいえない。本件発明1は,特許法29条所定の要件を満たしていたというべきである。・・・本件発明1について審査請求期間内に出願審査請求がされていれば特許権の設定登録を受けることができた高度の蓋然性があったというべきである。
 本件出願1及び本件出願2については,前記2で説示した被告の債務不履行と損害の発生との間の因果関係を肯認することができる。

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