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平成26年(行ケ)第10257号
マイクロ波照射による衣服のしわ除去事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 当業者にとって自明な事項であり,そのことを当然の前提としていると引用文献自体から理解することができる場合については,引用文献にその具体的な物の記載が省略されていても,その記載があるものと同視することができるとされた。

 事件番号等:平成26年(行ケ)第10257号
 事件の種類(判決):拒絶審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:X/特許庁長官
 キーワード:新規性,「刊行物に記載された発明」の認定
 関連条文:特許法29条1項3号

○知財高裁の判断

*新規性なし
 引用文献1(甲1)には,対象となる衣類について,「耐熱性の低い合成繊維」,「耐熱性の低い繊維」,「厚手の衣服」という記載はあることが認められるものの,綿100%のワイシャツは記載されていない。引用文献1においては,衣服について前記のほかは具体的な記載がないものの,特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」の認定においては,当業者にとって自明な事項であり,そのことを当然の前提としていると引用文献1自体から理解することができる場合については,引用文献1においてその具体的な物の記載が省略されていても,その記載があるものと同視することができるというべきである。
 技術常識に照らせば,当業者であれば,引用文献1の記載から,その自明な事項を読み取ることができるのであり,引用文献1においては,乾燥物として合成繊維よりも耐熱性が高いと認められる綿100%のワイシャツもその対象されていることは,当然に想定されていたと判断されるから,引用文献1には,乾燥物として綿100%のワイシャツが記載されているに等しいものと認められる。本願発明に該当する綿100%のワイシャツは,引用文献1に記載されており,引用発明に含まれているものといえるから,本願発明は新規性を欠くものと認められる。

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